すっかりと朝晩の風が秋らしくなってきました。
日光の熟成庫の温度も安定し始めてそろそろ生ハムの山での熟成の準備に入ります。
生ハムの方も熟成が進み準備万端整っています。肉に雪がつもったように白カビが育っています。
骨盤を外して肉が表面にでている部分に脂(ラード)を塗ります。
肉が表面にでていると熟成中に乾燥が進み肉がやせてしまい、
堅くなり塩分がこくなりおいしくなくなりますので、
乾燥を防ぐためにスパイスを練り込んだラードをぬります。
この脂のことを「マテンカ脂」と言います。
生ハムを食べ始めて肉の切り口が見えているときハムの切断面の乾燥を防ぐためにも有効な方法です。
肉の表面のスジにすり込みようにぬっていきます。
骨を外した際の深いくぼみなどにも空気が入らないようにしっかりと塗っていきます。
全体にすり込んだらラードの厚みをもたせるように2重3重に塗り重ねていきます。
更にしばらくねかせます。もうすぐ、山にはいるころです。
来年の春すぎまで厳しい山の冬の熟成に入ります。